●月経困難症ってどんな病気ですか
月経時に下腹痛・腰痛・頭痛などの症状が強い病気です。症状の強さは人それぞれ違いますが、日常生活に支障をきたすようであれば治療を必要とします。最初の月経が始まってからあまり経過していない若い女性では少なからず月経困難の症状がありますが、年齢と共に軽減するようであれば治療の必要のない場合が多いようです。反対に原因となる疾患があるための月経困難症もあります。この場合には対症療法だけでなく、原因となっている疾患の治療も必要です。
卵巣の機能が少し低下していることによっておこるものを機能性月経困難症と呼びます。子宮内膜症・子宮腺筋症・子宮筋腫などの疾患を伴うものを器質的月経困難症と呼びます。
●月経困難症の診断や検査はどのようにするのですか
まず、ホルモンの値が正常かどうかの血液検査をします。これによって機能性月経困難症かどうかを判断します。必要に応じて基礎体温を策定することもあります。器質的月経困難症かどうかを判断するためには、内診・エコー検査や必要ならMRI・CTなどの検査を追加することもあります。一度の検査ですぐに診断がつかない場合もあります
●月経困難症の治療にはどんなものがあるのですか
▼薬物治療
鎮痛剤は最も多く用いられますが、原因の治療をする薬剤ではありません。長期間連用すると胃潰瘍・十二指腸潰瘍を引き起こすことがあるので注意が必要です。
低用量ピル LEP) は鎮痛剤に次いで最も多く用いられている治療薬です。機能性月経困難症でも器質性月経困難症でも用いられます。LEPについては別の項で詳しく説明していますので、そちらをご覧ください。
ミレーナという子宮の中に装着する器具による治療法もありますが、分娩を経験している方が対象となります。